猫が好き!


「あいつが戻って来たらヤバイから、そろそろここを出よう」
「そうだね。あいつカッターナイフ持ってたし」
「げっ! そういうの先に言ってよ」
「私も余裕なかったの」


 真純は無意識のうちに、シンヤの腰に腕を回して、横からしがみついた。


「シンヤが来てくれて嬉しかった。ありがとう」


 シンヤは片手で真純の肩を抱き、静かに言う。


「礼なんていいよ。僕のせいだし。怖い思いさせてごめん」


 少ししてシンヤが、クスリと笑った。
 真純が不思議そうに見上げると、シンヤは笑いながら言う。


「いや、正面じゃなくて横ってのが、真純さんらしいなって」

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