猫が好き!
物珍しさが先立って、まじまじと見つめていると、頭の上から低い声が降ってきた。
「なんなら、今からでもいいけど?」
ハッとして見上げると、黒シンヤが口元にうっすらと笑みを浮かべて、見下ろしていた。
真純は無言で、門を開け中に入る。
そして、ついて来ようとしたシンヤの目の前で、門を閉じた。
「ちょっ……! なんで?」
シンヤは門扉の上を両手で掴み、身を乗り出すようにして抗議する。
シンヤを睨んで、真純は冷たく言い放った。
「やっぱりおまえが一番危険だ。家に入れるわけにはいかない。警戒しろって言ったのおまえだし」