猫が好き!


 真純は少し顔を上げて、上目遣いにシンヤを窺った。


「見たの?」
「見てない見てない」


 シンヤは笑いながら手を振って、軽く否定する。
 その笑顔がウソ臭い。

 探るようにじっと見つめていると、シンヤはヘラリと笑って白状した。


「いやぁ、真純さんって身体もちっちゃいけど、おっぱいもちっちゃいなぁーって」
「やっぱり見たんじゃない!」
「見せられたんだよ」


 平然と言い返すシンヤが小憎たらしくて、叩こうと手を振り上げると、その手首を掴まれた。

 シンヤは余裕の笑みを浮かべて、真純に問いかける。


「その元気なら大丈夫そうだね。気分悪いとか、頭痛いとかない?」

< 153 / 354 >

この作品をシェア

pagetop