猫が好き!


 目の前まで迫ったシンヤが、静かに言った。


「本当はゆうべの内にって思ってたんだけどね。真純ってガードが堅いから、お酒飲んでリラックスした時ならイケるかなって。まさか、あんなに飲むとは思ってなかったから」


 ゆうべから企んでいたとは、黒シンヤ侮り難し。
 という事は、拾ってくれたお礼とか言って、ワインを一本くれたのも作戦の内だったのか。

 泥酔どころか酩酊状態だったから、危険を回避できたようだ。

 ん? てことは——。


「一緒に寝ただけなの?」

「うん。ベッドに入った途端、真純眠っちゃったし。多分覚えてないんだろうなって思ったし」


 いつの間にか完全に覆い被さっていたシンヤが、真純の頭を抱きかかえるようにして目を細める。

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