猫が好き!
寒い部屋に閉じ込められている深窓の令嬢。
友達のいない彼女は、唯一外部との接触が図れるパソコンで、シンヤとの会話を求めた。
彼女の慰めになるならと、不正アクセスと知りながら、シンヤはチャットを繰り返していた。
「ハルコなのか?」
進弥の呼びかけが聞こえるはずもなく、再び新たなウィンドウが開いた。
『昔馴染みのよしみで警告します。セキュリティ会社に通報しました。三十分以内に警備員が駆けつけるでしょう』
ウィンドウが閉じられ、通信が途絶える。
呆然と画面を見つめた後、進弥は頭の天辺から声を上げた。
「はぁ?!」
慌てて終了処理もそこそこに、二台のパソコンの電源を落とす。