猫が好き!


 思わず顔が引きつる。
 絶対、自分のキャラじゃない。
 かえってシンヤも引きそうな気がする。


「……瑞希はそうやって男を誘うの?」


 途端に瑞希は、不愉快そうに眉をひそめた。


「仕事に忙殺されてて、ここ二、三年、男なんてご無沙汰してるわよ」


 美人で社交的な瑞希は、学生時代からカレシがいなかった事がないので、意外だった。


「社内にいくらでもいるじゃん」


 真純が指摘すると、瑞希は目を伏せて、目の前で手を振った。


「社内の男なんてダメよ。私の後ろしか見てないし。逆玉狙いで妙に媚びた奴か、恐れてビクついてるか、どっちかだもの。金も権力もある才色兼備って損よね」


 そう言って、わざとらしく大きなため息をついた。

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