猫が好き!


「言えないよ。ただでさえ子ども扱いされてるのに、やっぱり聞き分けのない子どもなんだって思われたくないもん」

「実際に子供なんだから、子どもだって思われたっていいじゃん」

「もう!」


 少女はムッとした表情で進弥を睨んだ。
 進弥はかまわずに続ける。


「どうせ子どもでいられるのもあと少しなんだし、今の内に子どもの特権、思う存分行使した方が得だと思うけどな。あんまり聞き分けがよすぎるより、少しぐらいなら、わがまま言って甘えてくれる方が嬉しいもんなんだよ」

「そうなの? うざくない?」


 目を丸くして身を乗り出す少女に、進弥はクスリと笑った。


「そりゃあ、わがままばっかだと、うざいけど、全く甘えてくれないのも寂しいよ。そんなに頼りないのかなぁって」

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