猫が好き!


 思わず本音を漏らすと、少女は目ざとくそれを察知して、ニヤリと笑いながら進弥の顔を覗き込んだ。


「やけに実感こもってるけど、あんたの彼女って甘えてくれないの?」
「全然。すっごいクール。ってか、オレの事はどうだっていいだろ」
「えぇーっ? あたしの話だけ聞いてずるい」
「おまえが勝手に話したんだろ?」


 同じ匂いがするせいか、この少女にはついつい本音を漏らしてしまうようだ。

 進弥の飲む酎ハイの缶を見つめて、少女が訴えた。


「ねぇ、喉渇いちゃった。それ返して」


 進弥はニヤリと笑い、問いかける。


「何? オレと間接キスしたいの?」


 すぐさま少女は、真っ赤になって怒鳴った。

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