猫が好き!
壁のスイッチを探り、思い切って灯りを点けてみる。
部屋のどこにも真純の姿はなかった。
進弥はすぐに、階段を駆け下りた。
二階には他に、進弥の部屋しかない。
家の中にいるとしたら、一階のどこかだ。
トイレも風呂も灯りは点いていない。
入浴中とかではないようだ。
一階の灯りを次々に点けながら確認していく。
リビング、キッチン、ダイニング、真純の仕事部屋、テラス、どこにも真純の姿はない。
テラスを出て庭を見渡したが、そこにも真純はいなかった。
もう一度電話してみるが、やはり不通のままだった。
進弥は力なくテラスにしゃがみ込む。
真純はいったいどこへ——。
すっかり無縁になったと思っていた、半年前の悪夢が進弥の脳裏に蘇った。