猫が好き!


 予想外の真純の行動に、進弥は一瞬硬直する。

 耳元で真純が、消え入りそうなほど小さな声でつぶやいた。


「もう帰って来ないかと思った」


 進弥は真純の小さな身体を引き寄せ、ギュッと抱きしめる。


「そんなわけないじゃん。僕のせいなのに。僕がガキで頼りないから、真純さんは僕と付き合ってるの恥ずかしいんだよね」

「え?」


 真純が顔を上げ、驚いたようにこちらを見つめた。


「違うよ。私がシンヤみたいな若い子と付き合ってる事を、高木くんに知られた事が恥ずかしいの。私、あいつに嫌われてるから、絶対からかわれるに決まってるもん」

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