猫が好き!


 真純の恥ずかしがっている理由が、全く見当違いだった事が判明し、進弥は思い切り脱力した。


「なんだ、そうだったんだ。もう、真純さんって分かりにくいよ」


 思わず愚痴ると、真純は口をとがらせて反論した。


「おまえだって分かりにくいよ。二重人格だし」
「そうかなぁ。じゃあ、オレが今、何を考えてるか当ててみて」


 真純は少しうつむき加減に上目遣いで、進弥の顔をまじまじと見つめる。
 そしてボソリとつぶやいた。


「……エロい事、企んでる」
「あったりーっ。ほら、分かりやすいでしょ?」


 間髪入れずに答えて、進弥は真純をより一層抱きしめた。

 本当はキスをしたいと思っていただけだが、真純がそう思っているなら、あえて否定しない事にする。

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