猫が好き!


 真純を泣くほど不安にさせた事に、非はあるかもしれない。
 だが、元々どこにも行くつもりはなかったし、好かれてなくても側を離れたくないとすら思っていた。
 ウソをついた覚えはない。

 腑に落ちない気もするが、ここはおとなしく従うのが大人の対応なのだろう。

 進弥が黙っていると、真純は俯き、小さな声で懇願した。


「お願い……もう少し待って」


 真純の手が進弥のシャツをギュッと掴む。

 また怒って出て行くとでも思われたのだろうか。
 再び不安そうになった表情を見て、進弥は微笑みながら真純の頬に手を添えた。


「うん。無理強いはしないよ。でもキスはいい?」


 真純が小さく頷いたのを確認して、進弥はそっと口づけた。

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