猫が好き!


 頑張ったと言えば、頑張った。
 別の意味で。

 あの後、真純は自分の部屋に帰らなかった。
 床に寝るから側にいさせて欲しいと言うので、そういうわけにも行かず、一緒にベッドで寝たのだ。

 真純は安心したようによく眠っていたが、進弥の方は変に意識してしまって、ほとんど眠れなかった。
 おかげで朝から、あくびをかみ殺していたのだ。

 進弥が絶句していると、課長はおもしろそうにフフッと笑った。


「冗談よ。セクハラだったわね」


 進弥も曖昧な笑みを浮かべてお茶を濁す。
 互いに笑い合った後、課長が真顔で尋ねた。


「冗談はともかく、何かあったの? あの子、朝元気がなかったのよ。ちょうどあの時みたいに」

「あの時?」

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