猫が好き!
「唇じゃなくてもいいよ。ほっぺでも手でも」
「……うん。それならいい」
真純はホッと息をつく。
奥手な真純にシンヤが最大限気を遣ってくれているのが嬉しくて、思わず彼の腕にしがみついた。
「だから、そういうかわいい事しないで」
不満そうにそう言うと、シンヤは真純の手をほどき、肩を抱き寄せた。
見上げる真純を見つめて、シンヤは微笑む。
「我慢できなくなるでしょ?」
そして唐突に口づけた。
今度のキスは、いつものように唐突だけど、いつものように優しくて甘かった。
(完)