猫が好き!


「何言ってるの。お互いそれぞれ部屋にこもって仕事してるから、イチャイチャするヒマなんかないよ。私、シンヤが何やってるのか知らないし」


 本当に知らない。
 今回に限り事情の説明は受けたが、普段は何をしているのかさっぱり分からない。

 高木は意外そうに目を見開いた。


「仕事の話とかしないんですか?」
「しないよ。おまえは彼女にするの?」


 問い返すと、高木は苦笑した。


「まぁ、確かにしませんね。守秘義務がどうこうというより、女の子ってコンピュータの話なんかしたら引きますからね。”何それ、おいしいの?”って露骨に嫌な顔されたことありますよ」


 思わず吹き出したら、高木も一緒になって笑った。
 そこへ二人分のコーヒーを持った瑞希がやって来た。
 笑い合っている二人を見て、怪訝な表情をする。

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