猫が好き!
「さすがね、彼。ゆうべ結構収穫があったみたいよ」
「シンヤから連絡があったの?」
「ええ。少し前にね。もうすぐ来るんじゃないかしら。データを持ってくるって言ってたから」
「データって……。シンヤ、ハッキングしたの?」
危ない橋は渡らないと言っていたのに、その舌の根も乾かぬうちにハッキングを行っていたらしい。
平然としている瑞希に苛ついて、非難するような口調になった。
瑞希は真顔になり、毅然として言い放つ。
「私が命令して許可したの。あまり時間もないのに、こっちは相手の事ほとんど分かってないのよ。それに相手はシンヤくんと同レベルのハッカーなんだから、正攻法だけで通用するとは思えないわ。彼なら大丈夫だと私が判断したの。私が全責任を負うわ」
「そうだとしても、その時はシンヤだって無罪にはならないでしょう?」
俯く真純に、瑞希は静かに問いかけた。