猫が好き!
「真純さん、ただいまーっ」
シンヤはその勢いのまま、思い切り真純を抱きしめる。
これもいつもの事だ。
「昼ご飯があるって聞いたから、急いで帰ってきちゃった。三食とも真純さんのご飯が食べられるなんて超嬉しい」
そこまで喜ばれるほど大したご飯は作っていないが、そこまで喜んでもらえると素直に嬉しい。
二人で食卓に向かい、他愛もない話をしながら昼食を摂る。
普段から互いに仕事の話はしないが、今日は特にシンヤがその話題を避けているような気がした。
昨日真純が不安を露わにしたからだろう。
本当ならついさっきの瑞希とのやり取りを話すのが普通だ。
真純は途中で帰ってしまったし、真純も内容を知っている仕事なのだから。
けれどこの場では、あえて追及しなかった。
ご飯は楽しく食べたい。