猫が好き!


 何事もなく普通に食事を終えて、シンヤは自室に引き上げた。

 真純は後片付けを終えると、仕事部屋には行かずに、二階にあるシンヤの部屋を目指した。

 まだほとんど仕事は終わっていないが、まずはシンヤと話をしない事には、どうせ仕事が手につかないと思ったからだ。

 ノックしてシンヤの返事を待ち、扉を開ける。
 シンヤは少し焦った様子で、パソコンの画面を隠すようにその前に立ちはだかった。

 シンヤの後ろを覗くように首を傾けると、シンヤはさりげなくそちら側に体を傾ける。

 少し引きつった笑顔を浮かべるシンヤを、真純は見上げた。


「話したいことがあるの」
「何?」


 シンヤは相変わらず、わざとらしい笑顔を張り付かせている。
 それを見据えて真純は告げた。

< 281 / 354 >

この作品をシェア

pagetop