猫が好き!


 ふいにシンヤが振り向いた。
 真純と目が合うと、彼はいつもの人懐こい笑顔を見せた。


「あ、起きたんだ」
「うん。今何時?」
「五時半」


 随分眠っていたようだ。
 真純はよろよろと身体を起こした。
 シンヤが心配そうに尋ねる。


「大丈夫?」
「平気。ご飯の支度しなきゃ」


 真純はベッドを出て戸口へ向かう。
 部屋を出ようとした時、シンヤが腕を掴んだ。

 立ち止まって見つめると、シンヤがニヤリと笑った。

 黒シンヤ降臨——?


「平気なら、もう一回いい?」
「え……」

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