猫が好き!


 シンヤが頼んだピザを二人で食べ、互いにそれぞれ仕事に戻る。
 真純が今日のノルマを果たし、仕事部屋を出た時は夜の九時になろうとしていた。

 風呂の支度をして二階に上がる。
 様子を見に行くと、シンヤはまだ二つのパソコンに向かって仕事をしていた。

 左のパソコンには一覧表のようなものが表示されていて、それを見ながら右のパソコンを操作している。
 真純自身は使う事のない、コマンドを入力する画面のようだ。

 シンヤがパソコンを操作しているのを間近で見るのは初めてだ。
 後ろからのぞき込むと、彼は流れるような手つきでコマンドを打ち込みながら、時々隣の画面を見ている。

 データ入力専門の自分より、はるかに早い。
 しかもなんだか優雅だ。

 何をやっているのか、さっぱり見当がつかない。


「何やってんの?」
「んー。バックドアがまだ生きてるか調べてる」
「何? それ」
「平たく言えば、裏口のこと」

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