猫が好き!


 驚いたような困ったような複雑な表情で、真純に尋ねる。


「なんでシンヤ? 真純さんの元カレの名前とか?」
「そっちこそ、なんで元カレ限定?」
「だって、今カレがいたら、僕を泊めるわけないでしょ」
「元カレでも今カレでもないよ。真夜中に拾ったからシンヤ(深夜)」


 真純の説明を聞いて、彼は安心したように声を上げて笑った。


「あぁ、そういう事。いいね、それ。シンヤでいいよ」
「元カレでなければいいの?」
「うん。僕、真純さんが気に入っちゃったから、元カレの名前で呼ばれるとしたら、ちょっと複雑だし」


 思いも寄らないシンヤの言葉に、真純は思いきり動揺する。


「はぁ? 私の何が気に入ったの?」


 シンヤはとびきりの笑顔でキッパリ答えた。

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