猫が好き!
「それってニュースになるんじゃ……」
『なるでしょうね。ダッシュがほくそ笑んでるのが今から目に浮かぶわ。ムカつくったら』
吐き捨てるように毒づいた後、瑞希の声は暗く沈んだ。
『本当はハルコを壊してしまうのが一番手っ取り早いってわかってるの。だけどあの子は、私が開発して何年もかけて思考エンジンを育てて、ようやく仕事を任せられるほど成長したのに……。最後まで諦めたくないの。あと二日だけ、わがまま言わせて。それでもダメだったら、ちゃんと決断するから』
これまでハルコにかかった莫大な費用を考えると、壊してしまうのは会社にとって大きな損失になる。
その上ハルコは瑞希にとって我が子のようなものなのだ。
決断が下せないのも頷ける。
「私に何かできる事ある?」