猫が好き!
「おまえ緊張感なさ過ぎ。どうしてそんなに余裕なの?」
「滅茶苦茶緊張してるよ。真純に縋っていないと、ひとりで立っていられないくらいに。余裕なんて全然ないよ」
淡く微笑むシンヤが儚げに見える。
ふざけているように見えたのは、緊張と不安を紛らわせるため、加護を求めて人に甘える子犬になっていたからだ。
「ごめん。私にできる事ある?」
何もできない事はわかっている。
けれど何かしたいと思う。
俯く真純の頬にシンヤはそっと手を触れた。
「側にいて見張ってて。オレが逃げ出してしまわないように。そして、うまくいくように祈ってて」
瑞希と同じ事を言う。
真純は笑って頷いた。
「うん。わかった」