猫が好き!


「シンヤ!」


 手を引いて掲示板に目を移す。
 何事が起きたのかと勝手な憶測で賑わっている掲示板に、シンヤの発言が表示された。



シンヤ:必ずおまえを阻止してみせる。



 それを見届けてシンヤはブラウザを閉じ、真純に縋りついてきた。
 真純の肩に顔をうずめ、痛いほどにきつく抱きしめる腕は震えている。
「ちくしょう」と小さくつくぶやく声が耳元に響いた。

 失敗した上に小馬鹿にされて、怒りをぶつける事もできない悔しさがひしひしと伝わってくる。

 真純はシンヤの背中に腕を回し、なだめるようにポンポンと叩いた。

 しばらくそうしているうちに、シンヤも落ち着きを取り戻したようだ。
やがて腕をほどき顔を上げると、気まずそうにつぶやいた。

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