猫が好き!


「そういえばさっき、僕の頭にキスしたよね?」
「え? 唇は当たったかもしれないけど……」


 正直、覚えていない。
 真純が言い淀んでいると、シンヤはにっこり笑って決めつけた。


「じゃあ、やっぱりキスだ。てことは、OKなんだよね?」
「えぇ? あの合図、まだ有効だったの?」
「だって廃止はしてないし」
「今日はもう休むんじゃなかったの?」
「うん。だから明日」


 ホッとしながらも、なんだかうやむやのまま押し切られたような気がする。
 真純が黙っていると、シンヤが腕を掴んだ。


「イヤ?」


 少し首を傾げて、縋るような目で見つめる。
 この目に弱い。

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