猫が好き!
そんなドレスは持っていない。
第一似合わないので着る機会もないだろう。
明日の朝、着替える時にでも確認してみよう。
シンヤがいる前で脱いで確認するわけにもいかないので、真純は恐る恐る尋ねた。
「他には?」
口角を少し上げてスッと細められた目に邪気を湛えた黒シンヤが、低い声で問い返す。
「知りたい?」
余裕がなくて曖昧になっている記憶をたぐり寄せる。
しかし即座に中断して真純は拒否した。
「言わなくていい!」
プッと吹き出して犬かぶりに戻ったシンヤは、笑いながら真純を抱き上げた。