猫が好き!
「大丈夫。他にはないよ。この部屋寒いから早く布団に入ろう」
真純をベッドの側で下ろし、二人で一緒に布団に潜り込む。
布団の中はすっかり冷え切っていた。
「ひゃぁーっ、つめたーい」
わめきながらしがみついてきたシンヤが、そのまま真純の上に上半身を乗り上げる。
「重い!」と抗議しようとしたら、いきなり口づけてきた。
唐突なのはいつものことだが、いつもより熱を帯びている。
ちょっと待て、明日じゃなかったのか。
いつだったか瑞希が言っていた、男は一度許したら図に乗るって、この事か?
とか思っていると、またしても唐突にシンヤが唇を離した。
目を開くと目の前に、いつもの子犬の笑顔があった。
「続きは明日。おやすみ」
真純を抱きしめたままコロンと隣に転がって、間もなくシンヤは寝息を立て始めた。
呆気にとられて少しの間、真純はシンヤを見つめる。
しかしその温もりに次第にまぶたが重くなり、いつの間にか眠りに落ちていた。