猫が好き!


 本人が特定できたなら、捕まえてウィルスを削除させるとか警察に突き出すとかすれば、ハルコが何か危険な事をするのを阻止できるのではないかと真純は思った。
 しかし、それは無理らしい。

 ダッシュの犯した罪は色々ある。
 不正アクセス行為禁止法違反、不正指令電磁的記録作成および提供罪、業務妨害罪、等明らかだ。

 だが、それを堂々と警察に証明できる証拠がない。
 あの掲示板の記事は削除されているし、何よりハルコが前科者なので警察の心証は悪いのだ。


「まぁ、こっちも同じような事やってるしね。それに今捕まえに行って逃げられたら、その方がやっかいだし。まずはダッシュからハルコを奪取しないと」

「それを言うなら奪還でしょ。変なダジャレ言ってないで真面目にやりなさい」


 へへっと笑ってシンヤはコマンドを入力し始めた。

 表示されたのは昨日見たハルコの接続画面だ。
 シンヤはその画面に引き続きコマンドを入力していく。

 ダッシュがいないと思われる今のうちに、ハルコのアクセス履歴ファイルを入手するのだ。
 とはいえ、ダッシュが絶対に見ていないという保証はない。

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