猫が好き!


 朝、シンヤがダッシュのマシンに仕掛けた罠は、このためのものだった。

 ダッシュの出没時間を瑞希に報告した後、シンヤは椅子の背にもたれて大きく背伸びをした。


「後は夜まですることないし、おなかすいちゃったー」


 パソコンの時計を見ると、一時を回っていた。
 真純がベッドの上に置いた弁当を取りに行こうと横を向いた時、いきなりシンヤが抱きついてきた。


「何?」
「今から真純さんを食べてもいい?」
「何を言ってんの、昼間から」
「昨日も昼間だったよ」


 それを言われると痛いが、いつでも昼間でいいというわけではない。



「とにかく全部終わってから。じゃないと落ち着かないもん。おなかすいたんなら、お弁当食べなさい」
「ちぇー」

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