猫が好き!


 少ししてシンヤは取得したダッシュのユーザIDとパスワードを瑞希にメールで送信した。
 それを報告するため、携帯電話で瑞希に連絡を取る。

 笑顔で話しながら、シンヤは真純にピースサインを送った。
 少ししてシンヤの表情が硬くなる。
 そして「わかりました」と答えて電話を切った時には、すっかり気落ちして項垂れていた。

 やっと終わったと思ったのに、また失敗だったのだろうか。
 シンヤのIDは停止されてしまった。
 もう後がない。
 不安に胸が騒いで、恐る恐る尋ねる。


「何かあったの?」


 シンヤはこの世の終わりでも来たのかというほど、絶望的な表情でつぶやいた。


「DDOSアタックの時仕込んだ爆弾を速やかに回収するようにって言われた。今夜徹夜かも……」
「え? ダッシュの方は?」
「そっちはOK」

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