猫が好き!


 進弥がハルコの事をすっかり忘れていた二週間後、再び唐突にあのチャット画面が開いた。


 ハルコ: シンヤ、久しぶり



「でたな。今度は挨拶っぽい事、言ってるじゃないか」


 進弥は口の端に笑みを浮かべると、すかさずチャットに入室した。



 シンヤ: おまえ、これってハッキングだろ? どうやってファイアウォールを突破した?
 ハルコ: 企業秘密
 シンヤ: どこの企業だよ
 ハルコ: それも秘密
 シンヤ: おまえ、会社員なの?
 ハルコ: シンヤは?
 シンヤ: オレは高校生


 会話を続けながら、なんとか探りを入れてみるが、はぐらかされる。
 それよりも、この間に比べて、会話がかみ合っている事に違和感を覚えた。

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