猫が好き!
「勝手に都合よく話をねじ曲げないで。しようとしただけで、してないから」
かすめたかもしれない事は黙っておく。
シンヤは呆けたようにホッと息をつく。
「あ、そうなんだ」
そしてニッコリ笑って、掴んだ腕を引き寄せた。
真純は抗う間もなく、シンヤの腕の中に捕らえられる。
「じゃあ、やっぱり、ちゃんとキスしたい」
「だから! 別にしなくていいから!」
抵抗すればするほど、シンヤはきつく抱きしめる。
「でも、したいからする。僕、真純さんが好きだし」
そんな、ついでのようにサラリと言われても、信用できない。