猫が好き!
シンヤが何かを隠していることは、なんとなく分かる。
元々謎だらけの子犬だが、曖昧な笑みを浮かべながら、はぐらかそうとしている様に苛つく。
「昼間の通い慣れた道で、そんな必要ないから。酔っぱらいはおとなしく寝てなさい」
ピシャリと言い放ち背中を向けると、シンヤは力なくつぶやいた。
「じゃあ、気をつけて。行ってらっしゃい」
シンヤの意味不明な言動は気になるが、真純はひとりで辺奈商事へ向かった。
いつものカフェで待っていると、少し遅れて瑞希がやって来た。
コーヒーを持って向かいの席に着くと、瑞希は笑顔で軽く尋ねる。
「お待たせ。その後どう? 子犬ちゃんに襲われたりしてない?」
「え……」