猫が好き!
「そういえば、シンヤの方が紹介してもらいたがってたよ」
「あら、シンヤくんって年上好きなの?」
嬉しそうに声を弾ませる瑞希に、真純は意地悪く言う。
「瑞希じゃなくて、辺奈商事の仕事に興味があるんだって。システムの仕事ある?」
途端に瑞希は落胆して、肩を落とした。
「なんだ、そっち? 優秀な技術者は随時募集中よ。特に最近、ハルコが余計なことばかりしてるから、みんな、やりにくいって仕事が滞ってるのよね」
「ハルコって、まだ機嫌悪いの?」
真純が問いかけると、瑞希は腕を組んで首を傾げた。
「うーん。よく分からないんだけど、何か捜してるみたいなのよ。とにかくヒマさえあれば、やたら検索してるの。そのついでに作りかけのプログラムソースを覗いたりして、ロジックやコメントの内容にまでケチつけるから、プログラマから苦情が殺到してるのよ」