猫が好き!


「初対面ではね。もう初対面じゃないよ。そうやって油断させて、襲う気満々だったらどうする?」

「え?」


 ドキリとして硬直した隙を突いて、シンヤは真純をソファの上に押し倒した。
 突き放そうとして伸ばした両の手首を掴まれ、ソファに押さえつけられる。

 真純の上にのしかかったシンヤは、薄笑いを浮かべて見下ろした。


「真純さん、ちっちゃいからね。押さえ込むの簡単なんだよ」
「放して! 何のつもり?」
「愚問だね」


 必死で抵抗するが、腕も身体もビクともしない。
 シンヤは何をするでもなく、暴れる真純を静かに見下ろしている。


「逃げられるもんなら、逃げてみなよ」


 挑発的なシンヤの言葉に、真純は彼を睨むと、頭を持ち上げて頭突きを食らわそうとした。

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