猫が好き!
真純は俯いて、瑞希に尋ねた。
「シンヤは逮捕されるの?」
「それは無理ね。状況証拠だけで、あんたの拾ったシンヤくんとハッカーのシンヤが同一人物だという証拠はないし、二度の不正アクセスを行ったのがシンヤくんだという証拠もないもの。たとえあんたのマシンにシンヤくんの指紋が残っていたとしても、一緒に住んでるわけだし、彼は掃除係なんでしょ? 掃除の時、うっかり触ったって言われれば、それまでだもの」
「私はどうすればいい?」
「あんたのIDは使用停止にしたわ。いずれ別のものを再発行するけど、その前に彼に出て行ってもらって」
「うん……」
真純は力なく頷く。
項垂れたまま、ぼんやりと考えた。
シンヤに渡した合い鍵を返してもらわなければ。
今後勝手に入り込まれたらマズイから、家の鍵を付け替えなければならないだろう。
なにしろ相手は犯罪者だ。