猫が好き!
そんな事を考えながら黙って俯いていると、シンヤの方が口を開いた。
「どうしたの? 怖い顔して。会社で何かあったの?」
真純は顔を上げて、シンヤを見つめる。
シンヤは何も感付いていないのだろうか。
真純が辺奈商事から帰って、シンヤに何を話そうとしているのか。
それとも心配するフリをして、探りを入れている?
勘繰っていても仕方ない。
元々、小細工や駆け引きは苦手だ。
真純は意を決して、正面からぶつかる事にした。
「訊きたい事があるの。ごまかしたり、はぐらかしたりしないで、正直に答えて」
「うん……」
シンヤはまだ何の事か分からないと言った表情で、不安げに見つめている。
真純は単刀直入に尋ねた。