君に告げよう

「竹島くん？」

「……まぁ…、なんていうか……。ただ聞いてくれるだけでいいから」



だけど――……。

もしかしたら、伊地知が何かいい方法を考えてくれるかもしれない。

永輝くんと姉さん、両方が納得する解決策を……。


わらにもすがる思いだったけれど、僕はそんな感情を露にせず、冷静に話し始めた。

伊地知にでさえも理解できるように言葉を選びながら……。


永輝くんと姉さんが別れたことから始まり、族同士の乱闘事件で永輝くんが重傷を負ったこと、啓介さんが年少に入ったこと……。


伊地知は僕の目を見て、時折、相槌を打ちながら真剣に話を聞いてくれた。

そんな伊地知の態度に、ずっと全身を縛り付けていた重圧が少しずつ解れていくのを感じた。



「……そんなことが……」



一通り話を終えると、伊地知は絶句した。

僕は僕で、プライベートなことを初めて他人に話した自分に呆然としてしまった。