君に告げよう

*裏切り*



冬休みの間。

僕はいつものように永輝くんの家に行っていたけれど……。



「遼太郎くん?もう帰るの?」



何事もなかったかのように再び結崎家を訪れるようになった姉さんと……



「宿題、結構出ているから……。早いとこ終わらせたいんだ」

「頑張れよ」



いつもと変わらない静かな笑みを湛える永輝くん……

二人を見ているのが辛くて、早めに帰るようになっていたんだ。



「永輝くん。バイクの上に財布忘れているみたいだよ」

「えっ?そうだったか?……かんな、ちょっと取ってくるから」

「うん、分かった」



玄関のドアを開けて外に出る僕の後に永輝くんが続く。

< 103 / 301 >

この作品をシェア

pagetop