君に告げよう

葛城のことで何かあったんだろうか――。

嫌な胸騒ぎが、僕の歩調を速めていく。


伊地知の家についてインターフォンを押すと、最初に出たのは伊地知本人だった。

玄関のドアを開けた伊地知に、僕は詰め寄るようにして「何かあったのか?」と聞いた。



「――えっ?何かって……。いや、ただ、一緒に遊ぼうと思って……」



困ったような顔をして答える伊地知を見て、僕は急に身体の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

はぁーっと深く溜息をついた僕のことなどおかまいなしに、伊地知は「寒いから中に入ろう」と強引に立たせ、家の中へと連れて行った。




「……ったく。家に電話かけてくるから、てっきり葛城たちと何かあったのかと思ったよ」



伊地知の部屋に通され、前回と同じように出された熱いコーヒーを前に、僕はふて腐れたように言った。

伊地知はそんな僕を見て、マジメな顔をして言う。



「だって、竹島くん、電話しろって言ったじゃん。それに、竹島くんの家知らないし」

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