君に告げよう
――そうだった……。
冬休み中、暇だったら電話しろって言ったのは僕の方だった。
伊地知はそれをきちんと覚えていて、電話してくれたのに……。
「悪かったな」
素直に「ごめん」と言うこともできず、僕は口を尖らせたまま言葉を返した。
「――で?遊ぶって、何するんだよ」
「竹島くんはいつも、何して遊んでるの?」
「……俺は……」
聞かれてみて、初めて気付く。
僕はその辺の中学生みたいに、ゲームで遊んだり、街に出たりすることがなかった。
いつも永輝くんの家で過ごしていて……
たまに永輝くんのバイクの後ろに乗せてもらって走りに行くくらいで……。
「トランプしよう!」
黙り込んだ僕に、伊地知はプラスチックのケースに入ったトランプを見せる。