君に告げよう

「次は花札か……」



帰り道、少しだけ想像してみる。


日曜日。

永輝くんと僕、そして伊地知――。

とても奇妙な組み合わせだ。


一人は族の、もうすぐ総長になろうとしている男。

一人はマジメな優等生。

そしてもう一人は……優等生でもなく、族にも入っていない、中間の人間。


あと一人、メンツがいるなぁ。

姉さんだったら、あいつ、気を遣うかな。

優美ちゃんは……花札で負けると、いつも勝ったヤツを殴るしなぁ。

やっぱり姉さんしかいないかな……。


そんなことを考えながら、僕は家に帰りついた。


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