君に告げよう

――翌日。

三学期が始まった。


学校が始まるということは、何があっても葛城たちから伊地知を守る日々が始まるということだ。

冬休み中、伊地知から葛城のことは何も聞かなかった。

いや、敢えて聞かなかった。

葛城たちと顔を合わせない休み中くらいは、嫌なことを思い出させたくなかったから。



「………?」



教室に入ってすぐ、僕はクラス内の異常な空気に包まれた。

休み明けってのは、耳を塞ぎたくなるくらい教室中が騒がしいのに。

今日はしんと静まり返っていたんだ。



「……竹島くん」



クラスの異変を感じながら自分の席についた僕のところに、茅島がやって来た。

いつも明るい茅島さえも沈んでいて、目は泣き腫らしたかのように真っ赤になっていた。

< 113 / 301 >

この作品をシェア

pagetop