君に告げよう
「なんだよ、おまえ。目、赤いぞ?夜遊びのしすぎか?」
暗い表情の茅島を見るのは初めてで、僕はいつもの茅島に戻そうとからかう。
だけど、茅島は表情を少しも崩そうとしない。
茅島の口は何かを伝えようと小刻みに動くけれど、なかなか声が出てこない様子だった。
「――だから、なんだよ。言いたいことあるんなら、早く言えよ」
次第にイライラしてきて、僕は眉間に皺を寄せる。
「……伊地知くんが……」
「は?伊地知がどうした?」
茅島は肩で大きく息を吸い込んだ後、真っ直ぐに僕を見て言った。
「伊地知くんが……死んだの……」