君に告げよう

微妙なズレもなく、きっちりと畳まれた便箋。

クソまじめな伊地知らしいなと思った。

伊地知から貰った最初で最後の手紙は『ごめんね』という言葉から始まっていたんだ。



【竹島くんへ

ごめんね。花札する約束、破って。

竹島くんと友達になれて嬉しかった。

僕はずっと、竹島くんに憧れていたんだ。

強くて、独りでいる勇気があって。


だけど僕には、強さも勇気もない。

学校に行くのが怖い。葛城たちが怖い。

友達の竹島くんを盾にしたくない。


ありがとう。

こんな僕と友達になってくれて。

本当に嬉しかったよ。


伊地知 宗佑】


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