君に告げよう
骨が折れるんじゃないかというくらいに、僕はギュッと両手の拳を強く握りしめた。
伊地知が自らの命を絶ったというのに、あいつらは反省どころか、次のターゲットを探している。
父親の前で見せたあの涙も偽物で……。
――……伊地知。
なんで、あんなヤツらのために命を無駄にしたんだ。
なんで、歯向かわなかったんだよ。
おまえは、悔しくないのか……?
『あいつらは……友達なんだ……』
ほんの少しの間、おまえが友達だと言い切ったヤツらは、おまえの死を何とも思っちゃいないんだぞ。
悔しくて、悔しくて……。
僕は我を忘れて、ゆっくりと足を前に踏み出した。
「――遼太郎、やめろ……!」