君に告げよう
穏やかな表情で話す伊地知のお父さんの言葉に、僕は閉口した。
「君は宗佑の死を無駄にしなかったじゃないか。勇気を持って動いてくれた。本当にありがとう」
お父さんが再び僕に頭を下げ、僕もつられるようにしてうつむく。
勇気を持って動くことを教えてくれたのは永輝くんだ。
永輝くんがいなかったら、僕は葛城たちを思う存分殴って、それで終わりにしていた。
暴力がすべてを解決すると思っていたから……。
――僕はなんて非力なんだろう。
伊地知の家を出ると、外で待っていた永輝くんと姉さんが静かに笑う。
「遼太郎くん……。そんな顔してちゃ、伊地知くんが心配するわよ」
姉さんの言葉に涙がこぼれた。
そんな僕を、姉さんがふわりと抱きしめた。