君に告げよう

「――ふぅ……」



深い溜息をつきながら、茶の間の畳の上にごろんと転がる。

ひんやりとした畳の冷たい感触が心地よい。

永輝くんのチームに入ってから、僕の胸の大きな穴は少しずつ埋められていったけれど、まだ完全ではなかった。



「……怒ってるだろうなぁ」



ぽつりと呟く。

僕が族に入ったこと……。

もしも伊地知が生きていたのなら、きっと、顔を真っ赤にして言うはずだ。



『ダメだよ、竹島くん!暴走族なんて!結崎さんは反対しなかったの!?』



「……ははっ」



不甲斐なく、涙がこぼれる。

三年経っても、ちょっとしたことで伊地知のことを思い出す。


< 140 / 301 >

この作品をシェア

pagetop