君に告げよう

さっきまで姉さんと話していたから、すぐに反応した僕は切り返す。



「あぁ」

「いいと思うよ?喧嘩強いし、慕われているし」

「そうか。頭脳戦ではいけると思うか?」

「……頭脳戦……」



言われてみて、僕は思わず口を閉じた。

喧嘩が強い、みんなに慕われている。それだけじゃ総長にはなれない。

どんな状況においても機転が利かないと無理だ。

特に……頭脳を駆使して綿密に作戦を練る乱闘が勃発するとなれば……。



「それなら、イチさんを補佐に回せばいいんじゃないかな」



メンバーの顔と特徴を一人一人思い出した僕は、頭脳戦に欠かせない人の名前を出した。

イチさんはユウヤさんとタメで、喧嘩は弱い方だけど、そのぶん頭がめちゃくちゃいい。

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