君に告げよう
「……確かに。ユウヤさんて、なりふり構わず突き進んでいく人だから」
「そうだろ?」
「……引退したら、本物の会社員だなっ!」
僕が笑って言うと、永輝くんはすっと立ち上がり自分の部屋に行った。
そして、大きな封筒を持って戻り、僕に差し出した。
「……公務員…専門学校…?」
「あぁ。引退したら、そこの入学試験を受けようと思う」
「なんでまた……」
口にはしなかったけれど、永輝くんとはあまりにも不釣合いで、僕は言葉を濁す。
引退したら、仕事を本業にするとばかり思っていたから……。
それに、もともと頭が良い永輝くんだけれど、公務員という固い仕事と結びつかなくて……。
「俺もさ、一度くらいは人並みに学校生活ってものをやってみたくてさ」
「……永輝くん」